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​PBSの脳機能画像研究

 歯の“咬み合わせがいつまでも合わない”

患者さんの脳内システムエラーの解明に進展


 福岡歯科大学総合歯科学講座高齢者歯科学分野の梅﨑陽二朗准教授、内藤徹教授らのグループは、東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科・歯科心身医学分野の豊福明教授らの研究グループとの共同研究により、いくら調整を繰り返しても「咬み合わせがいつまでも合わない」PBSの患者さんには、脳活動パターンの微妙な乱れがあることを初めて明らかにしました。

 この研究は文部科学省科学研究費補助金の支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は、Neuropsychiatric Disease and Treatment誌に、2020 年 10 月 6 日にオンライン版で発表されました。

 

【ポイント】

・差し歯やかぶせものなどの義歯を何度も作り直したり、歯科矯正やインプラント治療後に「咬み合わせがいつまでも合わない」違和感が続くPhantom bite syndrome(PBS)の患者さんでは、歯の違和感がある部位に応じて脳活動パターンに微妙な乱れが生じていることを初めて明らかにしました。

・右側の歯で「かみ合わせがいつまでも合わない」患者さんでは、右側の頭頂葉と左側の視床で脳活動が上昇するアンバランスが生じており、左側の歯に違和感のある患者さんではその逆のアンバランスが生じていることを見出しました。

・「いつまでも歯の咬み合わせが合わない」のは、歯科処置の巧拙や歯の形そのものの問題だけでもなく、ましてや患者さんが「気にしすぎ」、「神経質」というわけでもなく、患者さんの脳において微妙な「咬み合わせの感覚の機能異常」が生じている可能性が示されました。

・この研究成果は、不毛な歯科治療の繰り返しやdental shoppingに陥った患者さん、また、その対応に難渋している歯科医療従事者に、問題の解決の糸口を与えるとともに、本症の病態解明の進展につながることが期待されます。

            福岡歯科大学HPより(https://www.fdcnet.ac.jp/col/news/archives/213 )

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